2025.12.12
Kさんは学校卒業後、一般企業で就労されたものの約6か月で離職。その後も複数の職に就かれましたが長続きせず、アルコール依存により生活面・就労面ともに不安定な状況が続いていました。障害者手帳は所持されていませんでしたが、一念発起して社会福祉協議会に相談され、当事業所「チャレンジJOBコース」を利用されることになりました。
Kさんは「将来はパソコンを使ったオフィス業務に就きたい」という希望をお持ちでした。一方で、PC入力などの基礎業務には「意味があるのか」「自動化できる仕事ではないか」といった否定的な姿勢が目立ち、モチベーションの維持に課題がありました。週5日で通所できていたことから、職員は面談やモニタリングを重ね、現在の状況整理や就労ステップの可視化に取り組みました。
利用開始から約2か月後、Kさんはご自身の判断で清掃アルバイトに挑戦されました。これまで「パソコン事務職」一本で考えられていたため、職員も驚きましたが、ご年齢や経歴を踏まえ現実的な選択をされたことは大きな前進です。Kさんは「時間を無駄にしたくないだけ」と控えめに話されますが、面談では「パソコン事務にこだわらない」という言葉も出るようになり、就労観に柔軟性が生まれてきています。
現在では、これまで苦手だった難易度の高い作業にも積極的に取り組み、職員のアドバイスを素直に取り入れながら着実にスキルを伸ばしています。また、他の利用者に声を掛けたり、作業手順を共有したりする姿も見られ、協働意識が大きく向上しています。こうした行動の変化は、Kさん自身の自信と主体性が高まっている表れです。
Kさんは、アルバイト勤務と事業所での訓練を両立しながら、安定した就労に向けて前向きに取り組んでいます。当事業所では、Kさんのペースを尊重しつつ、強みをさらに伸ばせるよう継続的に支援を進めてまいります。