2025.07.25
最近では、「挨拶なんてしなくてもいい」「無理に言わなくても支障はない」といった空気を感じることが増えてきました。人間関係の希薄化や、非対面でのやりとりが増えている現代においては、確かに挨拶を交わす場面も少なくなってきたかもしれません。
しかし、だからこそ今、「挨拶」の力を見直してみることが大切なのではないでしょうか。特に、B型事業所のように人と人とが関わりながら日々過ごす場所では、挨拶は単なるマナーではなく、人と人とをつなぐ大切なコミュニケーションのひとつです。
「おはようございます」「お疲れさまでした」「ありがとうございます」——。こうした言葉は、ただ口に出すだけのものではありません。挨拶には、「あなたの存在に気づいています」「あなたを大切に思っています」というメッセージが込められています。
例えば、朝事業所に来たときに職員や他の利用者から明るく「おはようございます」と声をかけられると、それだけでなんだか安心できるものです。「ここにいていいんだな」と感じることができるのです。
特に、B型事業所では不安を抱えながら通所している方も少なくありません。そんな中で、たった一言の挨拶が、その日の気持ちを大きく左右することがあります。
挨拶をしないまま過ごしていると、自然と距離感が生まれてしまいます。相手がどんな気持ちでいるのか分かりづらくなり、話しかけるタイミングを失ってしまうこともあります。
反対に、挨拶をきっかけに会話が生まれたり、「今日ちょっと元気なさそうだな」と気づいたりすることもあるでしょう。挨拶は、人間関係を築くための“ドアをノックする行為”なのです。相手との距離を縮めるためにも、まずは挨拶から始めてみましょう。
挨拶は、自分自身の気持ちを切り替えるきっかけにもなります。「おはようございます」と声に出すことで、気持ちが仕事モードに切り替わったり、「おつかれさまでした」と言うことで、「今日はここまで頑張ったな」と一日の終わりを実感できます。
特に、B型事業所では生活リズムの安定や、日々の作業への集中が大切です。挨拶には、そのリズムを整える力があるのです。
誰もが挨拶を交わす場所には、自然とあたたかい空気が流れます。お互いに「気にかけてもらえている」と感じられるからです。逆に、誰も挨拶しない場所は、なんとなく冷たく、孤立したような雰囲気になってしまいます。
私たちの事業所が目指すのは、誰もが安心して、気持ちよく過ごせる場所です。そのためには、挨拶が当たり前に飛び交う環境づくりが大切です。
「挨拶くらい、しなくても大丈夫」と思われることもありますが、その「くらい」が人の気持ちを明るくし、人間関係を育みます。
朝の一言、帰り際の一言、ありがとうの一言。それぞれはほんの短い言葉ですが、そこに込められた思いやりは、相手の心にしっかり届いています。
だからこそ、私たちはこれからも、毎日の挨拶を大切にしていきたいと思います。一人ひとりの小さな声かけが、みんなにとって居心地のよい場所をつくる力になります。