2025.06.20
B型事業所に通うみなさんの中には、「今日はなんとなく気が乗らないな」「体がだるくて行く気になれない」という日もあると思います。体調が悪いときはもちろん無理はしないことが大切ですが、「特に体調が悪いわけじゃないけど、やる気が出ない…」というとき、ありますよね。
今回は、そんなときに試してほしい「モチベーションを上げるためのヒント」をお伝えします。すべてを一度にやる必要はありません。できそうなことから、少しずつ取り入れてみてください。
やる気が出ないときは、「自分はダメだ」「他の人と比べて何もできていない」と感じてしまうことがあります。でも、本当にそうでしょうか?
例えば、「今日は起きられた」「ちゃんと薬を飲めた」「事業所に来られた」。これって、立派な“できた”なんです。小さなことでも、自分をほめてあげましょう。1日の中で「できたことリスト」を頭の中で思い出すだけでも、自信がわいてきます。
モチベーションが続かない一番の原因は、「目標が高すぎること」です。
「毎日事業所に行く」「誰ともトラブルを起こさずに作業する」「全部完璧にこなす」……そんなふうにがんばりすぎていませんか?
目標は、低くて大丈夫。むしろ「今日は事業所まで行けたらOK」「10分だけ集中できたら合格」くらいのほうが、続きやすいです。できたときの達成感も大きくなります。
「これが終わったらアレができる」と思うと、やる気が出やすくなります。
例えば、
午前の作業をがんばったら、昼休みにお気に入りのお菓子を食べる
一週間通所できたら、週末に好きな動画を観る
帰りにコンビニで好きな飲み物を買う など
大きなごほうびである必要はありません。自分が「楽しみだな」と思えるものを設定して、それを目指してがんばってみましょう。
モチベーションと体調は、つながっています。
夜更かしをして寝不足になると、次の日の朝は頭も体もだるくなりがち。「起きられない」「行きたくない」の原因になります。できるだけ、決まった時間に寝て、決まった時間に起きるようにしましょう。朝ごはんを食べると、体が目覚めやすくなりますよ。
急に生活を変えるのは大変ですが、少しずつ整えていくと、自然と「通いやすく」なります。
気持ちが落ちているとき、一人で悩んでしまうこともあります。でも、気軽に支援員さんに話してみてください。
「最近、通うのがしんどいんです」「なんとなくやる気が出なくて」——そう打ち明けるだけでも、気持ちが少し楽になります。
同じ事業所に通っている仲間も、きっと同じような気持ちになったことがあるはずです。無理に明るく話さなくてもいいので、「おはよう」とあいさつするだけでも、ちょっと気分が変わりますよ。
ときどき、「自分がここに来ている意味がわからない」と感じることもあるかもしれません。
でも、あなたが事業所に来て作業をすることは、
生活のリズムを作ること
社会とのつながりを持つこと
少しずつスキルや自信を育てること
工賃という形で働いた対価を得ること
——こんなふうに、たくさんの意味があります。
そして何より、「あなたが今日ここに来てくれたこと」は、私たちにとってとても大切で、うれしいことです。
モチベーションは、天気のように変わるものです。晴れの日もあれば、雨や曇りの日もあります。
無理にがんばりすぎなくて大丈夫。大切なのは、「あなた自身が、自分のペースで進んでいる」ということです。
ちょっとだけ背中を押してくれるようなこと、楽しみになるようなことを見つけながら、少しずつ進んでいきましょう。わたしたちは、いつでもあなたのそばにいます。